
「臨床工学技士ってどんな仕事なんだろう・・・」
「給料ってどう?やっぱり激務?」
今ではだいぶ認知されてはきましたが、「臨床工学技士って仕事してるんだ!」と答えても、「臨床検査技師?放射線技師?」なんて質問がきたりもします。
これって臨床工学技士あるあるなんでしょうか・・・
そこで今回は臨床工学技士という仕事について解説していきたいと思います。
もちろん給料についてもしっかり触れているので、これから臨床工学技士になろうか悩んでいる方は参考にしてみて下さいね。
本記事の内容
- 臨床工学技士の仕事内容とは
- ズバリ!給料っていくらくらいもらえるの?
本記事の信頼性
約9年間、臨床工学技士として勤務していました。
臨床工学技士の業務内容や給料について、事細かにお伝えしていきます。
これから臨床工学技士になろうとしている方や、学生の方は必見です!
臨床工学技士の業務内容とは?
臨床工学技士の仕事内容はたくさんあります。
・医療機器全般の保守点検業務
・血液浄化業務
・人工呼吸器業務
・高気圧酸素業務
・手術関連業務
・心臓カテーテル業務
・内視鏡業務 など
病院の規模にもよりますが、臨床工学技士の業務はたくさんあります。
大学病院や総合病院では、臨床工学技士にかかわる全ての業務を行うこともあります。
臨床工学技士業務全般に関わったとしても、ローテーションで業務を行うことや、専属で業務を行っている場合も多いようです。
それでは臨床工学技士の業務内容について、解説していきます。
医療機器全般の保守点検
病院には様々な医療機器があります。
・輸液ポンプ(点滴を一定の速度で送り出すための機械)
・シリンジポンプ(注射器を一定の速度に送り出すための機械)
・人工呼吸器
・生体情報モニタ(心電図や血圧などを計る機械)
医療機器をずっと使い続けていると不具合や故障が起こりえます。
機械がちゃんと動作しているか、また一定の期間使わなかった機械もちゃんと動作するかなどの点検も行ったりします。
場合によっては部品交換も行うこともあります。
実際に患者さんに使用する機械なので責任重大です。
その分、やりがいもある業務の一つと言えるでしょう。
臨床工学技士として勤務していたら、必ずといっていいほど関わることがある業務です。
また、医療機器を管理したりするのも臨床工学技士の仕事の一つです。
血液浄化業務
血液をキレイにする機械の操作や接続をするのも臨床工学技士の業務の一つです。
人工透析も血液浄化業務の中に入ります。
集中治療室だと、いろいろな血液浄化をすることがあります。
たいていの病院やクリニックでは、人工透析業務がメインとなってきます。
腎臓の機能が悪くなった患者さんに、医師の指示のもと、人工透析治療をしていきます。
ほとんどの臨床工学技士は人工透析業務を経験するかと思います。
人によっては一生、人工透析業務に関わっていくことになる業務です。
それだけ臨床工学技士としてもメジャーな業務といえます。
人工呼吸器業務
呼吸器疾患を持っている患者さんに対して、呼吸の補助を目的として人工呼吸器を使用する場合があります。
使用中の人工呼吸器の点検はもちろんのこと、使い終わったあとの人工呼吸器の点検も臨床工学技士の業務の一つです。
いつでも安心して機械が使えるように点検しておきます。
人工呼吸器を使用するときに立ち会って医師の指示のもと、機械の設定操作をする場合もあります。
また、使用中の人工呼吸器が安全に動作しているか、毎日のチェックもしていきます。
高気圧酸素業務
カプセル状のタンクの中に患者さんが入って、タンクの中の気圧を上げて酸素を体内に取り込む治療です。
気圧を上げたり、下げたりするのも臨床工学技士の業務です。
ただ単に高気圧酸素治療装置を操作するだけではいけません。
高度な専門的知識が必要になってきます。
手術関連業務
手術室にも医療機器がたくさんあります。
心臓の手術のときに人工心肺装置(心臓の変わりとなる機械)が必要となる場合があります。
人工心肺装置の操作も臨床工学技士の業務の一つです。
また、麻酔器の点検や手術支援ロボットの点検などもおこなったりします。
心臓カテーテル業務
カテーテルとは血管の中に入れる細い管のことです。
心臓の血管や血管内に以上が起きたときに治療が必要となってきます。
そのときに医師や看護師と同じようにチームの一員となって治療に当たっていきます。
また、ペースメーカーに関連する業務も臨床工学技士の業務の一つになります。
内視鏡業務
ここ数年、臨床工学技士も内視鏡業務に関わることが多くなりました。
内視鏡も立派な医療機器です。
内視鏡で手術や検査をするときに臨床工学技士が医師のサポートをして治療に関わってくる病院も増えていってます。
将来的には臨床工学技士の内視鏡業務もどんどん増えていくことでしょう。
どの業務が一番いいの?
どの業務もかなり重要です。
どれが一番ってことはないと思います。
ですが、臨床工学技士として一生働いていくのであれば、人工透析業務は一度、経験しておくべきでしょう。
転職するとなったときに人工透析業務を経験しておけば、人工透析クリニックのような施設で働くことも出来るからです。
臨床工学技士の業務は、どの業務も非常に魅力があります。
学生時代に興味を持った分野で就職するのいいです。
興味のある分野で仕事をしたほうが楽しく仕事もできますからね(^○^)
肝心の給料は?
多少の振り幅はありますが、年収320~600万程度といったところでしょうか。
ですが、都市部と地方では給料に若干の差があります。
以下がYahoo!しごと検索をした東京・神奈川の一部の求人です。
最低月給のラインが月20万前後で資格手当や施設によっての手当を考慮すると年収400万円程度が妥当だといえます。
医療職だから高給取りだと思われることも多いですが、一般的な企業よりも年収は若干低いようにも感じます。
給料だけで臨床工学技士になるのはやめておいたほうがいいですね。
やりがいや、日々の充実感はもの凄くあります。
やはり命に関わっている以上は責任の重みも違います。
お金では得られない使命感や達成感を味わうことは沢山あるかと思います。
仕事は激務!?
臨床工学技士として仕事をする以上、仕事は責任感がなければできない仕事だと考えて下さい。
その分、命と接することになるので、仕事に対してのやりがいは非常に感じる事ができます。
大学や総合病院になると、夜勤や当直業務・電話待機などの特殊な勤務もあり得ます。
大きい病院に行けば行くほど激務になることは覚悟しておいたほうがいいです。

実際に僕も急性期病院で勤務していましたが、寝ないで仕事したことも過去にありました。
その分、手当も付きますが体力も必要となってきます。
色々な症例が経験できるのでスキルアップしたい方は総合病院をオススメします。
まとめ
臨床工学技士には色々な業務があることがわかりました。
給与も普通に生活していく分には困らない額になるかと思います。
命と向き合うため、日々の勉強は欠かせませんが、臨床工学技士はとてもやりがいのある仕事です。
これから先の時代は、さらに高度医療になっていくことは間違いないです。
医療機器のスペシャリストである臨床工学技士の重要性も日に日に増していくでしょう。
一度、退職しても再就職も十分に可能な専門職の一つであると言えます。