役立つ医療知識

いつまで痛み止めを飲んでいるの?痛み止めがもたらす危険性とは

2021年2月10日

 

最近、胃痛がするな

二日酔いのときの痛み止めは効くからすぐ飲んでしまう

ちょっとした身体の痛みがあると痛み止めを常用しているんだが大丈夫なんだろうか

 

本記事の内容

  • 痛み止めがもたらす効果について
  • 痛み止めがもたらす副作用について
  • 何故、病院で処方される痛み止めには胃薬も一緒に処方されることが多いのか

 

本記事の信頼性

 

僕自身、消化器病院で5年ほど勤務していました。

主に内視鏡室に勤務していたので、胃痛の症状があって胃カメラをする患者さんは多かったです。

検査前に患者さんと話す機会があったときは、必ずと言っていいほど痛み止めを飲んでいるか確認していました。

痛みを止めるための薬が原因で胃潰瘍になるなんてことも大いにあり得るのです。

 

結論から先に言いますと、痛み止めを常用しているのであれば本当に必要なとき以外は服用を避けるべきだと思います!

 

そこで今回は痛み止めがもたらすリスクについて解説していきます。

痛み止めを常用しているのであれば、しっかりと読んで下さいね。

 

痛み止めがもたらす効果について

痛み止めがもたらす効果の一番は「痛みをなくすこと」です。

ですが、痛みはなくなっているわけではないということも事実です。

例えばですが、頭痛に悩まされている人がいたとしましょう。

痛み止めを飲んで効果が出ている時は痛みがなくなっているかもしれませんが、痛み止めの効果がなくなると痛みはまた出現してしまいます。

痛み止めは痛みを無くしているわけではないということです。

薬によって効果は様々ですが、痛み止めを飲むことによって痛みを感じなくさせているだけだと考えた方がいいかもしれません。

ですから、痛み止めの効果が切れてしまうと痛みが復活してしまうのです。

 

二日酔いのような頭痛では時間経過で痛みがなくなる場合もあります。

二日酔いは時間が経過すると痛みはおのずと無くなりますよね。

痛み止めを飲んで頭痛がなくなったわけではなく、痛みを感じている時間を痛み止めを飲むことによって、痛みを感じ無くさせているだけなのです。

時間が経過していくうちに二日酔いの症状が和らいでいき、痛み止めの効果が切れたときに痛みがなくなっているなんてこともあります。

痛み止めを飲んだから痛みが無くなったは勘違いですので注意しましょう。

 

痛み止めがもたらす副作用について

薬には効果がある一方で副作用と呼ばれる、身体に害をもたらす場合がある作用もあります。

例えば、吐き気や湿疹・身体のだるさなどです。

もちろん副作用には個人差があります。

たいていの場合は副作用がなく効果だけで済むことが多いです。

痛み止めの副作用で注意しなければいけないのが、胃痛や腹痛のような消化器による痛みです。

原因となる症状をなくすために、痛みを感じないよう薬の効果も強くなっています。

薬の効果が強いということは、それだけ身体に負担がかかっているということにもなります。

薬は何でもそうですが、効果があるのと同時に副作用のように身体に負担がかかるような効果があることも忘れないで下さいね。

 

何故、病院で処方される痛み止めには胃薬も一緒に処方されることが多いのか

 

こんな経験はありませんか?

病院で頭痛や関節痛のような症状で受診した際に、医師から「痛み止めを出しておきますね」と言われて薬を受け取ったら胃薬も処方されてたことが

 

痛み止め欲しかっただけだから胃薬はいらないよって思ってしまう人も中にはいるかとおもいます。

ですが、痛み止めと一緒に胃薬が処方されるのにもちゃんとした理由があるのです。

 

痛み止めを口から摂取すると胃や腸の中で薬が溶けて吸収されます。

胃や腸の中で薬が溶けるということは胃や腸に薬の負担がかかってしまいますね。

負担がかかってしまった胃や腸が耐えきれなくなって胃や腸の消化器管が荒れたり、胃潰瘍のように胃が傷ついてしまうなんてことがあります。

消化器官の負担を少しでも減らすために痛み止めと一緒に粘膜を保護する目的で胃薬が処方されているという訳なんです。

 

痛み止めを定期的に飲んでいるのであれば注意が必要

 

痛み止めを飲むことで胃に負担がかかってしまいます。

胃薬を飲まないで痛み止めだけを飲んでいれば、なおさら身体は悲鳴をあげている可能性もあります。

胃薬を飲まずに痛み止めの飲み過ぎで胃潰瘍が出来てしまっては、何のために痛み止めを飲んでいるのか分からなくなってしまいますね。

痛み止めを飲んだことによって胃や他の消化器に潰瘍が出来てしまった場合の病名もあるくらいなんですから。

参考までに以下が痛み止めを飲んだときに潰瘍が出来てしまった病名となっています。

 

NSAID潰瘍

NSAID潰瘍(NSAIDかいよう)とは、非ステロイド性消炎・鎮痛剤(Non-steroidal anti-inflammatory Drugs:NSAID)の服用により発症する消化性潰瘍を指す。

Wikipediaより引用

 

この記事を読んでいるあなたが痛み止めを常用しているのであれば、本当に痛み止めを今飲むべき必要があるのかを考えるのも大事です。

 

少しでも不安があるのであれば自己判断はせずに病院受診を

薬局にも市販の痛み止めはたくさん販売されています。

 

「痛み止め飲み過ぎてるかな?」

「痛み止め飲むと胃がキリキリする」

「痛み止め飲むとなんか調子悪いんだよな」

 

上記のような症状があるのであれば、我慢をして手遅れにならないためにも病院受診をオススメします。

 

定期的な身体のメンテナンスもすべき

 

何も症状がなくても定期的に自分の身体の調子を知ることもとても大事です。

健康的な生活を送るためにも人間ドックのような身体の隅々まで検査をすることも忘れないで下さいね。

 

 

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